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潰瘍性大腸炎には
どんなタイプがあるの?

【監修】横浜市立大学附属市民総合医療センター 炎症性腸疾患(IBD)センター 内科担当部長 国崎玲子 先生

炎症の広がりや活動性、重症度によってさまざまなタイプに分類されます

潰瘍性⼤腸炎では、適切な治療をするために活動性、炎症の範囲、重症度を評価します。分類には、以下のようなものがあります。

病期の分類

潰瘍性大腸炎には活動期と寛解期の2つの時期があり、潰瘍性大腸炎はその2つの時期を繰り返す疾患といわれます。活動期は⾎便の症状があり、内視鏡検査では腸の粘膜に「びらん」や「潰瘍」といった、ただれや傷を認める状態です。寛解期は活動期の症状がおさまり、腸の粘膜からびらんや潰瘍が消えた状態が維持されている時期のことです。

炎症の範囲(病変の広がり)による病型分類

炎症の範囲により、主に「直腸炎型」、「左側大腸炎型」、「全大腸炎型」の3つに分類されます。

直腸炎型 左側大腸炎型 全大腸炎型
直腸炎型 左側大腸炎型 全大腸炎型

前本篤男:チーム医療につなげる!IBD診療ビジュアルテキスト(日比紀文/監),羊土社,東京,pp.44-48,2016

臨床的重症度による分類

重症度は、排便回数や血便、発熱、炎症などの状態から、軽症、中等症、重症の3つに分類されます。重症の中でもとくに症状が激しく重篤で、一定以上の基準を満たす場合は「劇症」となります。

重症 中等症 軽症
1)排便回数 6回以上 重症と軽症との中間 4回以下
2)顕血便 (+++) (+)~(―)
3)発熱 37.5℃以上 (―)
4)頻脈 90/分以上 (―)
5)貧血 Hb10g/dL 以下 (―)
6)赤沈 30mm/h以上 正常

重症:1)および2)のほか、3)または4)のいずれかを満たし、かつ6項⽬のうち4項⽬以上を満たすもの
中等症:重症と軽症の中間にあたるもの
軽症:上記の6項目をすべて満たすもの

※赤沈:赤血球沈降速度。赤血球の沈む速度のこと

厚⽣労働科学研究費補助⾦ 難治性疾患等政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」(鈴⽊班)
平成28年度分担研究報告書 別冊:潰瘍性⼤腸炎・クローン病 診断基準・治療指針 平成28年度 改訂版より引⽤改変

内視鏡所見による分類

内視鏡検査では、内視鏡で観察した範囲のうち、もっとも炎症の強いところで重症度を判定します。状態によって軽度、中等度、強度の3つに分けられます。

1)正常粘膜
2)軽度
3)中等度
4)強度

de Lange T, et al. : BMC Gastroenterol, 4 : 9, 2004

臨床経過による分類

潰瘍性大腸炎は、臨床経過によって以下の4つに分類されます。

  • 再燃寛解型は、腸炎の再燃と寛解を繰り返すものです
  • 慢性持続型は、初回の症状が起こってから6ヵ月以上、腸炎が活動期にあるものです
  • 急性劇症型は、きわめて激しい症状で発症します
  • 初回発作型は、初回に症状が1度起こったのみのものですが、将来的に再燃寛解型に移行する可能性があります
再燃寛解型、慢性持続型、急性劇症型、初回発作型
前本篤男:チーム医療につなげる!IBD診療
ビジュアルテキスト(日比紀文/監),羊土社,東京,
pp.44-48,2016

「分類はどのように活用されるの?」

一言で「潰瘍性大腸炎」といっても、患者さんそれぞれの症状や状態はちがいます。各々の患者さんに合う治療法を提供するために有用となるのが分類です。厚生労働省の研究班が発行している「潰瘍性⼤腸炎・クローン病 診断基準・治療指針1)」では、病期(活動期または寛解期)、重症度(軽症、中等症、重症および劇症)、炎症の範囲(直腸炎型あるいは左側または全⼤腸炎型)などを兼ね合わせた治療の指針が示されています。
それだけでなく、医療費の助成を受ける際にも重症度の分類がかかわってきます。医療費助成制度については、こちらでご紹介していますのでご確認ください。

【出典】

1)厚⽣労働科学研究費補助⾦ 難治性疾患等政策研究事業「難治性炎症性腸管障害に関する調査研究」(鈴⽊班)平成28年度分担研究報告書 別冊:潰瘍性⼤腸炎・クローン病 診断基準・治療指針 平成28年度 改訂版